✟ 手羽元のオレンジジュース焼き煮 ✟
バラムガーデンの学生は、原則として寮生活だ。
余程の事がなければ、入寮して日々を過ごす。
それは、あの魔女大戦以後も変わらない。
むしろ、飛行形態に移行できるようになったせいで、学園自体が有事に飛ぶので、余計に入寮は基本原則になっている。
もちろん、それは教師や職員にも当てはまる。それでも全員というわけではない。主に独身者が多く、教員寮や職員寮で生活する者達も多い。
ちなみに、クレイマー夫婦はバラムガーデン自体を大きな家と考えているのか、普通に職員寮の役職エリア。一番セキュリティの高い、シェアルームタイプの寮室で日々を過ごしている。
蛇足だが、石の家はクレイマー夫婦の別荘という扱いで残存。
又は、子供たちの別荘か遊び場である。
そして、そんな学生及び教師陣を支えるべく、フル稼働している常時戦場になりえる施設。
それこそが、バラムガーデンの食堂だ。
食堂職員は優秀で、育ち盛りの学生達の飢えた身体を支える、バランスのいい食事を三食きっちり作ってくれる。アピールしていないが、地味に実は間食も完備している。
間食タイムがある事を、知ってる奴らは何もいわない。
だって取り分が減るから。
そして最大の特徴として、何よりも安い。
ガーデンという組織。特にバラムガーデンが創立された当初、生徒の内訳は多くが経営維持が困難になった孤児院出身者が多かった。
つまり、蓄えがなく、支援も期待できない状況の生徒が多くいた。
その為、バラムガーデンは三校の中でも、とりわけ生徒への支援が手厚い。生活必需品の支給や、生徒自身が選択して金銭を稼げるシステムが完備済み。
ガーデンが選別したり主導となる、学生ができる仕事の仲介等、自立に伴う一歩は数多く用意されている。
つまり、そういう学生にも手が出しやすいように、バラムガーデンの学食はそのボリュームに反して安い。街中の飲食店と比較しても安い。
その為、街中に食べに出るよりも、美味しいし安いし、何より近い。なんせ同じ学内にある。
これらの事情から、主に学内食堂だけで飲食を完結させるような生活をした学生が、多発した結果。
卒業後もしくは独立後に、食事面で支障をきたすケースが報告される事態になってしまった。
そこで考案されたのが、〝自炊システム〟だ。
バラムガーデンの学生が、自主的に自炊をする為のシステム。食材を食堂経由で代理購入するため、必ず自炊申請を行う必要がある。
自炊申請をすると、食堂が仲介する為の食材購入ページ〝ガーデン商店〟に、学生番号と書類申請を確認してから、ガーデンネットワークから〝入店(アクセス)〟する為の許可手続きがされる。
食材購入用のショップページであり、食材と言えど金銭が絡む為、きっちりと個人確認はされている。
……調子に乗って買い溜めをした結果、破産した先輩がいるとかいないとか。
何があったか詳しくは知らないが、過去の事例を踏まえ、申請者以外が入る事が出来ない限定ページ化がされている。
それが、〝ガーデン商店〟だ。
食材の注文確定日は、週に一度。
確定日に購入カートの中身の物が、決済される仕組みだ。
それまでは、購入カートの中を入れ替えても問題はない。
要するに購入カートが、スーパーの買い物籠と同じ扱いをされている。
ちなみに料金は月末に纏めて支払う形になるので、購入総額金はしっかりチェックしないと、金銭トラブルの元になる。
主に、残金的な意味で。
サイファーも、当然ながら〝ガーデン商店〟を利用している。
自らの肉体の鍛え直しも兼ねて始めて、自炊歴は地味に長い。〝ガーデン商店〟で、食材を購入するのも、指定時間に食堂に食材を取りに行くのも慣れたものだ。
最近は、自室で〝ガーデン商店〟にアクセスしていると、横からあれ食べたいこれがいいと、口出しされることも多くなったが。
そんな自炊に便利な〝ガーデン商店〟は、食堂の中の人たちのノリと勢いで運営されている一面がある。
仕入れの関係で、スーパーの特売日のように、〝訳あり食材〟が安売りされる事もある。
サイファーが今回購入した食材は、そんな訳あり品の一つであった。
訳ありと言っても、厳重な程に安全確認がされた後の為、安全性は保障されている。
食の恨みは、恐ろしいものなので。
―――――――― ▼ ――――――――
でかい鶏肉が、安売りされていた。
部位としては手羽元。食べにくい点もあるが、味と食べ応えを考えるならば、好きな部位だ。
という事で、即決して購入した物体を、冷蔵庫から取り出す。
ざっと目測で見ても、通常の手羽元の二倍から三倍デカい。
流石は〝訳あり品〟。立派な物だ。
「やるか」
予め冷蔵庫に入れて、半解凍にしていた手羽元を、トレーに移す。ごろごろとトレーの中で転がしたそれに、塩胡椒を振りかけて、満遍なく下味をつける。
食感が嫌で排除する者もいるらしいが、個人的に皮も好きなのでそのまま。スコールも好きだし良いだろう。
ある程度、手羽元に下味が馴染んだら、片栗粉を適当に振りかける。手羽元につくように、グルグルと肉を回して薄っすら白くする。
手を洗って、次は玉葱を適当に切る。男二人分だから、二玉でいいだろう。
……いや、三玉か?
少し迷ったが、奴の胃袋なら何とかなるだろう。勢いで三玉切る。
流石に多い。山となった玉葱が少し不安になったので、全部入るように深めの底がある大型フライパンにする。
見た目よりは軽いが、通常のフライパンより重量級のそれをコンロに乗せて、火をつける。
オリーブオイルをぐるっと一周。
温まったら、手羽元を転がしていく。片栗粉で作った衣に、焼き目がつくまでじっくり焼く。
焦げないように見ながら、焼いている間に、調味料を用意。
果汁100%のオレンジジュースを軽量カップに適量入れて、各種調味料を入れていく。
チューブになったタイプのニンニクを取り出す。スコールはがっつり系が好きな傾向もあるから、多め入れて……。
――――『前よりすごく美味しい。……〝俺好みの味〟だ』
「……………あ」
勢い余って、多めに入った。
違う。
これは普通に間違えた。
今日は、自分好みの味付けにするつもりで。
ニンニクは隠し味程度に、少なめにするつもりで。
「………………………………違うからな」
誰にも届かない言い訳をして、全てを横に置いて、頭を切り替えて続行する。
勢いで多めに入ってしまったから、仕方がない。
そう、仕方がない。
調理棚から取り出して、蜂蜜瓶の蓋を開ける。
世の中、チューブタイプも出回っているが、断然に俺は瓶派だ。
なぜなら蜂蜜を頻繁に使わないので、長期保存に向く瓶タイプが好きだからだ。あと、頻繁に使わないという事は固まるという事で。
つまりチューブの中で固まった蜂蜜と格闘するのが、ストレス過ぎて嫌になったからだ。
チューブは二度と買わねぇ。
三分の一、中身が残っているが白く固まった悲しきチューブを、ゴミ箱にぶち込んだ初期の頃の懐かしくも、忌々しい思い出は忘れていない。
少し硬くなった瓶の蓋を開けて、蜂蜜を計量カップに適量入れる。
全ての調味料が入った事を確認して、計量カップの中をぐるぐると巻き混ぜる。その間も、手羽元の肉は焦げない程度に転がしていく。
しっかりと肉に焼き目が付いたら、鍋に隙間を作って、切った玉葱を入れて適当に炒める。
その後、キノコは勢いと気分で、量を適当に決めて投入。
茹でて冷蔵庫に眠らせていた、綺麗に殻を剥いた茹で卵も二つ落とす。
ボリュームが多いような気がするが、今日はこれ以外に作らないから良いだろうと、自分で納得しておく。
じゅうじゅうと焼ける音が聞こえる中に、計量カップの中身を注いでいく。
やはり量が多いというか、肉がデカすぎて液体に浸らない。
「……増やすか」
オレンジジュースを追加で投入。調味料も少し足して、調整。そこそこ肉が浸り、野菜も沈んだので良しとする。
後は、煮る。
目安となるタイマーをかけて、蓋をする。落し蓋をすることも考えたが、今回は省略。汁の量を多く入れたので、必要ない。
やばい。むしろ汁が多すぎたかもしれない。
それでも、完全に手羽元が汁に浸っていないので、時々蓋を取って、ぐるりと肉を回す。焦げないように、鍋全体も回していく。
煮ている放置時間中に、調理道具の片付ける。
主食は、この前の任務前日に、冷凍御飯を大量に作ったのでそれを使う。
タイマーが鳴った。
蓋を開けて、火を強くして煮詰める。片栗粉や蜂蜜が溶けて、色が濁り濃くなる。
ぼこぼこと沸騰する音と共に、汁ことオレンジソースが、どろりとしたら完成。
……こんなもんか。
最初は、オレンジジュースで煮る肉料理を発見した時は、考案した奴は正気か疑ったものだ。
よくよく調べれば、でかでかと注意事項として〝100%果汁に限る〟と書いてあったので、要するに肉料理にかけるフルーツソースと同じノリだと思えば納得する。
この前の休日。
スコールが1日帰ってこなかった時に、試してみたら美味かったので、大丈夫だろう。
たぶん。
―――――――― ▼ ――――――――
「サイファー、……なんだ、このオレンジ色」
そういえばこいつ、食わず嫌いしてた食材があったなと、思い出したのは食卓に出した時だった。
サーブした皿の中を見る。
デカい手羽元数本と、野菜とキノコ。
それを浸している、鮮やかなオレンジ色のソース。
確かに見た目は、今まで出したことのない物かもしれない。
「オレンジで煮たからな」
「……あのオレンジ?フルーツの?」
「そ~だよ」
「…………?」
正確にはオレンジジュースだが、細かい事は良いだろう。
首をかしげるスコールを無視して、オレンジソースに沈む手羽元を手に取った。
フォークとナイフも用意した。スプーンも用意した。
スコールは好きに食えばいい。
俺は今日、上品に食べる気分じゃない。
手拭きも用意したし、自室だし。
目の前にいるのはスコール。
ようするに、別に気にしなくていい。
手で手羽元の先っぽを掴み、横から肉に齧り付く。
たまにはこういう食べ方の方が、面倒がなくていい。特に骨がついている肉は。
噛み締めた所から、肉汁が溢れた。噛み千切れば、オレンジソースに煮詰められた肉が入る。
「んっ」
一口目は、満足の行く味だった。
汚れた片手で手羽元を掴んだまま、もう片方の手でスプーンを取る。煮詰めてくたくたになった玉葱とキノコを、オレンジソースごと掬う。
煮た茹で卵は、また後のお楽しみにする。
とろみがついた事で、まだ熱いオレンジソースにふぅふぅと数回息を吹きかけて、口の中に入れた。
口に残っていた肉の味と絡んで、甘酸っぱい味が広がる。
酢で煮たのかと、勘違いしそうになる美味い酸味。個人的に満足の行く仕上がりだった。
少し、ニンニクが強すぎたような気がする点以外は。
……ニンニクの失敗だけ、マイナスだな。
勢いで入ったから、仕方がない。
幾度目かの自分自身への言い訳を思いながら、ふと顔を上げる。
――――ガン見されていた。
心なしか、瞳孔が開いているような気がするのは、きっと気のせいだと信じたい。
視線が意味もなく、横に逸れる。そのままもう一度、骨のついた肉に齧り付いて、食べ進める。
とりあえず、目の前の飯に集中する。
口の中の肉を咀嚼しつつ、オレンジソースでたっぷり煮詰められた茹で卵を、持ち替えたフォークで割る。結果的に煮卵になったせいか、水分を含んで艶やかな断面が見えた。
豪快に、半分の卵を口に入れる。美味い。
そのまま米も口に入れる。美味い。
自画自賛だけど、美味い。
だが、そう。想定より主張する物が。
これがどうにも。
……ニンニク。
少し心に引っかかる事も一緒に飲み込みながら、もう一度だけ顔を上げた。
―――――肉食獣がいた。
手羽元を俺と同じように手で掴み、ぐわりと俺より大きく開いた口で、横から歯を剥きだしに齧り付く。
大きな肉の塊である事と、オレンジソースに絡まった肉の塊が、ぶちぶちという幻聴が聞こえるような、野蛮な有様で食い千切られていく。
普通に一口がデカい。
ざっと目測、サイファーの二倍ぐらいには。
「ん!」
ぎゅるり、と音が鳴ったような錯覚がする程に、驚いた気配。
目を数度瞬かせた後に、スコールの目の色が変わった。
んっぐ、んっぐ、と肉を噛み締めて飲み込み、間髪入れずに二撃目が入った。肉と一緒に、軟骨部分も引き剥がされていく。ごりぃ、ごりぃと、噛み締める音まで聞こえてくる。
……うわぁ。
何とも言えない気分で、様子を見ていると、スコールが次の行動に入った。
口の中が無くならない間に、たっぷりとキノコ諸共にソースを掬って、口の中にねじ込んでいる。
よく口の中に入ったな、おい。
「ん、んーんーっ!」
含みきれなかったオレンジソースを指で拭いながら、ぱんぱんに膨れた頬の動きは止まらない。
しばし驚いていた瞳も、とろとろに惚け始めている。
……美味いらしい。
少しほっとしつつ、勢いの凄まじさに、ちょっとだけ内心で引く。
けれど。
もっぎゅ、もっぎゅと、口の中をぱんぱんに詰め込んで、美味しそうに食べるその姿が。
子供の頃に、よく見た光景と重なる。
エルオーネに怒られて、まま先生に注意されて、拗ねた顔をしていた頃が懐かしい。
色々な感情は多々あれど、飯を食う姿が変わらないことに安堵しながら、手羽元に再び齧り付いた。
……もっと煮るべきだったか?
軟骨が想像以上に硬くて、少し失敗したかもしれない。
幸いにも目の前の獣は、まったく気にしてないようだが。
―――――――― ▼ ――――――――
サイファーの料理は、宝箱みたいだ。
食べた事がある料理も、
知っている料理も、
初めて見る料理だって、
サイファーが作った物は、新鮮な驚きと楽しさをくれる。
そして何より、好きに食べていても、許されるという安堵感。
自分のありのままを受け入れてもらえた実感は、どんなものにも代えられない。
序でに、本人はきっと気づいていないだろう。
俺が食べている所を見る視線が、普段の彼からは考えられない程に、温かくて優しい視線である事に。
記憶を思い出した石の家のあいつらと、あの二人は知っている事だが。
……それ以外が、二度見するぐらい視線が違うんだがな。
本人だけが、気づいていない。
だから自覚させようとしたのに、上手くいっているようで、思ったよりは進んでいない。
少なくても表面上は。
それが少し不満だ。
……作戦を練り直すか。
勝てる勝負を捨てるつもりはないし、みすみすデザートを逃す気もない。
横から盗られるなんて、もっての外だ。
ブチブチと歯で噛み締めた肉を、骨から引き千切りながら、もっぎゅもっぎゅと口を動かして、美味しい肉を噛みしめる。
美味い。
普通に美味い。
美味い、のだが。
「……これ、何の肉だ?」
一般的に考えても、肉がデカい。
口元についたソースを拭いながら聞けば、手拭きで手を拭っているサイファーは笑っていた。
その笑顔が少し、気にかかった。
予想外な事を言われたというような、隠し事をしているような。
そう、昔見たことがある。悪戯を隠すような顔だった。
……なんだ?
「鶏肉だよ。正真正銘」
さらりとサイファーから告げられた言葉は、形と味について納得できる回答だった。
ただ、サイズが段違いにデカいだけで。
お目にかかったことがないぐらい、デカいだけで。
「でかい鶏の品種もいるんだな」
「そりゃいるけどよ、これはちげぇよ」
「違うのか?」
「〝訳ありの安売り〟だからな」
「……何か、違うのか?」
「全然ちげぇよ。まぁでも」
ニィッと口端を釣り上げながら、悪童の顔でサイファーは笑った。
「なんせ、尻尾が蛇みてぇに長いはずだからな」
「――――え゛」
コカトリス。
羽根はついているが、空を飛ぶことがない怪鳥であり、放電する危険なモンスターの一種。
数十年前の、魔女戦争の最中の出来事。
世界的食糧難の時代が到来した際、
「鶏に似てるなら食えていいだろうがっ!」
と、当時のモンスターハンターの偉大なる一人が、暴挙に出て実際に食べてしまった。
この〝コカトリス暴食の偉業〟で、怪鳥と言われていても〝味が鶏肉である〟事実が発覚した、悲しくも憐れなる、そして人間にとって喜ばしきモンスターである。
石化させたり放電されたりと、魔法攻撃が厄介な怪鳥モンスターである。
しかし、討伐難易度が高すぎるモルボルに比べれば、月とボム。
一定の力量のあるモンスターハンターなら、そこらへんに転がせる〝デカい鶏肉〟である。
モンスターハンターの間で、「どうしても出先で鶏肉が食いたければコカトリスを討伐しろ」と言われる程度に、ポピュラーな〝鶏肉の類似品〟である。
悲しい事に、コカトリスの肉に、毒性がないのも事態に拍車をかけた。
故に資金難になったモンスターハンターは、大体コカトリス討伐依頼があると、そっちを喜々として受けに行く。
――――だって、〝デカい鶏肉(味は一緒)〟を、安く食えるから。
もはやコカトリスにとって、歴戦のモンスターハンターに挑む事は、飛んで凍えるバイトバグだ。
という裏事情を、サイファーは風紀委員時代から知っている。
「何で、驚いてんだよお前」
「いや、だって。……え?……これ、コカトリス??」
しかし、スコール自身は知らなかった。
一般庶民の間で、コカトリスの肉が売られる事は、基本的にない。
なんせ一般庶民の間では、モンスターは脅威だ。
それを食べるという一面自体が、理解できない地方も存在する。
だが、モンスターハンター業界は別だ。
それに引っかかっている、傭兵部隊SeeDも別だ。
その傭兵部隊SeeDを育てている、バラムガーデンも別だ。
バラムガーデンから繋がる、ガルバディアとトラビアの両校ガーデンも別だ。
育ち盛りの生徒の胃袋を満たす為、沢山の肉類を確保しなければならない。
故に食堂職員は、コカトリスの肉がモンスター界隈市場に出ていると、爆速で購入していく。
その爆買いの恩恵を受けて、本日のサイファーによる夕飯は、立派な鶏肉(コカトリス)の手羽元である。
聞くところによると、どこかで異常繁殖した事で、複数のモンスターハンターが喜々として狩り取ったらしい。
ちなみに、バラムガーデンはコカトリスの肉を率先して購入する取引先として、モンスターハンター業界で有名である。
ガーデンが育ち盛りの戦闘職を営む生徒を、多数抱えているという事情も普通に理解できるので、モンスターハンター界隈で、安心できるモンスター肉及び可食部部位の取引先としても、抜群の知名度を確立している。
ガルバディアガーデンも購入する。
トラビアガーデンも購入する。
しかし、モンスターハンター業界にとって、バラムガーデンが一番気前よくお金を払ってくれる、要するに高く買い取ってくれる取引先として有名だった。
故に、バラムガーデンは〝立派な鶏肉〟を、立派な〝訳ありの肉類〟を、沢山確保できるのだ。
安くて美味いと安心して食べていた、時々出てくるデカいボリューム満点の鶏肉の〝正体〟に気づくのが、ある意味でSeeD及び候補生の洗礼なのだが。
どうやらスコールは、その洗礼を免れていたらしい。
「今更かよお前。食堂で時々出てる安い鶏肉メニュー、大体コカトリスだぞ」
「嘘だろ?????」
スコール・レオンハート。御年17歳。
SeeD総指揮官になってから、今更にバラムガーデン食堂の洗礼を知る。
要するに、過去のコミュニケーション不足と無関心の結果論であった。

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