❖ 指揮官専属カトラリー・BEAST - 3/6

 

✟ ひき肉とコーンのドライカレー弁当 ✟

 

どうしてこんなことになったのかと、深々と溜息をつく。
頭の中でぐだぐだと考えようと、頑固すぎる男の決定だ。最終的に武力行使に出ようと、授業に引きずられる未来が見える。
がらごろと引っ張り出した弁当箱は二つ。
男性用かつ体力勝負の仕事だからこそ、量がたっぷり入る大型弁当箱だ。
一つ二段組のそれを、横に並べてみて、地獄絵図のような光景に溜息しか出ない。
……どうして俺が、弁当を作らなければならないのか。
風紀委員の時の多忙な日々でもあるまいし、もう一度作る羽目になるとは思わなかった。
つらつら文句を積み重ねた所で、現実は変わらない。
さっさと作業をする。
昨晩。寝る前に炊飯器にセットして、朝には炊かれていた米を一段目に敷き詰める。
薄く敷き詰めた後に、電子レンジで温めていたモノを取り出す。
満遍なく熱を回すために、スプーンでかき混ぜつつ、汁を切って用意していたコーン缶を投下して混ぜる。
出来上がった物を、平らになるように米の上に敷き詰める。
敷き詰めた物を固定するために、さらに上から米を敷き詰めて、平らにしていく。
これで一段は完成。
二段目をどうするか。
「……まぁ、適当でいいか」
冷蔵庫を開けて、作り置きポテトサラダと茹で玉子、野菜室からレタスを取り出して適当にむしる。
時計を見れば、授業に間にいそうな時間だ。
先に出た同居人の念を押すような視線を思い出して、ため息しか出てこなかった。

 

―――――――― ▼ ――――――――

 

恐らく大半が、同じ気分を味わっている。間違いない。
今年、一般学生からSeeD候補生に上がる切符を掴んだ男は、授業を受けながら内心で頭を抱えていた。

――――〝疑似魔法使用理論・Ⅱ〟。

バラムガーデンの授業項目。その科目名としては、それほど珍しくもない。
内容としても、簡単に言えばジャンクションをしないまま、疑似魔法をいかに効率よく使用するか、という基礎の応用と発展だ。
ジャンクションを行わない、ガーデン以外のモンスターハント業界や兵士育成学校では、当たり前に組み込まれている授業の一つ。
もちろん、バラムガーデンにも授業項目が存在する。
主に、卒業後に軍やハンター等の戦闘職に就くことを想定している生徒に、人気の授業だ。
その一方で、ひとまずSeeDを目指す生徒には、不人気の授業ともいえる。
なぜなら、たいして必要ではないから。
なんと言ってもバラムガーデンは、様々な思惑がある中で、G.F.によるジャンクションを推奨してきた唯一のガーデンだ。
それは〝あの魔女大戦〟が終結した今でも、変わらない。
むしろ今となっては、沈黙を破った大国エスタとバラムガーデン大改修にて縁ができた事でも、ジャンクションシステムは継続して利用されている。
エスタの研究機関のバックアップの元で、試行錯誤を行う研究パートナーとして。
記憶障害という、副作用を抱えるジャンクションシステムを、いかに副作用を軽減して使用し続けることができるのか。
又は、ジャンクションに伴う副作用を無くしたり、相殺は可能なのか。
それら、ジャンクションシステムに対する研究の場として、バラムガーデン程に理想的な場所もない。
なんと言ってもSeeDには、改革で制限年齢が引き上げられても、年齢制限がある。
そもそも卒業してしまえば、ジャンクションシステムとは基本的にお別れだ。
就職先の都合や様々な理由と制限から、G.F.との契約を、卒業後も維持している者達は少ない。
つまり、期間限定的なジャンクションシステムの利用施設。
それがバラムガーデンだ。
その方針決定の元、組織改革後のバラムガーデンでは、ジャンクションに関する授業に入る前に、誓約書を書く事が義務付けられた。
正しい知識を学び、その上で利用の選択肢を提示している。
だいたいは、そのまま利用を始める。
先人達の経験則として、個人で日記を書いたり、周囲を巻き込んで交換日記を書き、〝思い出しやすい環境〟を作っていく。
細々とした、このようなバックアップの元で、現状のバラムガーデンは動いている。
結局のところ。
世界的に中立組織として、バラムガーデンの組織改革を進めたとして。
国際社会がSeeDに求めているのが、何らかの〝抑止力〟であるという一点だけは、現状において変えられない。
それは国家間の戦争であったり、強力なモンスターの討伐だったり、はたまたSeeDの本来の役割である〝悪い魔女の討伐〟であったり。
そう、魔女の討伐。
魔女大戦の記憶が薄れているとは言えない以上、国家上層部の頭に横切るその事例。

――――人間は魔女に対して、魔法技術という点において、貧弱である。

それを覆す事ができるのがジャンクションであり、古の人間とG.F.の関係性が生んだ共生・共闘の関係だ。
故に、後々に廃止するとしても、バラムガーデンはジャンクションシステムを手放せない。
率先して利用し、率先して研究する。
それがバラムガーデンの考えた、茨の道だ。
G.F.の利用とジャンクションシステムに関しては、SeeDが最前線。
昔から言われ続けたその評価は、継続して利用され続けている。改革後も傭兵ブランドとしてのSeeDは、傭兵業界において変わらずに特別な位置に座している。
しかし近年。
ジャンクションをしていると、不都合な事も多くなってきた。
記憶に関する副作用の事ではなく

――――SeeDの任務としての、不都合だ。

G.F.ジャンクションは魔法的な意味でも、身体能力的な意味でも、利用者の能力を爆発的に引き上げる。
その引き上げられた能力のまま、潜入調査をしたり、隠密活動をする事が、困難になりつつある。
誰だって、新参で入った若い人員が、高威力高精度のファイアを放っていたら不信感を持つ。
なまじSeeDが有名なせいで、お前まさか……と、正体がバレて終わった調査任務と潜入任務は、年に数回ある悲しい珍事だ。
さらに、ここ最近に至っては。
魔女大戦で、ただでさえ知名度のあったSeeDは、ジャンクションというシステムの最前線に名を連ねる事になった。
結果として、〝SeeDといえばジャンクション〟という代名詞が、大戦前より蔓延るようになる。
それこそ、任務に支障が出る程に。
そこで見直されたのは、疑似魔法の使用理論だ。
偉大なる科学の狂人・オダイン博士が構築した、人間が魔女の魔法を模した超常現象を引き起こす、脳を媒体として活用する技術。

―――――組織改革後のバラムガーデンは、この疑似魔法の使用理論に関する授業に力をいれている。

SeeDの任務に選択肢を増やす事。
そしてなるべく、ジャンクションの頻度を減らし、副作用に誘発を押さえる。
ジャンクションを扱う上での新体制として、後々のSeeDの礎を築くべく、悪戦苦闘しながら上層部は動いている。
ジャンクションの副作用に関する、当事者であり実感者でもあるから。

――――それを、我らが在校生もわかっている。

いつか視察でもあるかな……と、思った事もあるが。
まさか。
まさかのまさかで。
……自分が授業受けに来るとは思わないよ!!!
後ろを振り向けないが、恐らく今授業を受けている、大多数の生徒の意識の向かう先。
一番後ろの列の、端の席に座っているスコール・レオンハート。
何よりも、その隣にいる男。
最近は何かと話題に事欠かない、存在感が煩いと一部にネタにされている、サイファー・アルマシー。
……いやまて。アルマシーに至っては、受ける意味あるのか?
授業の内容は、もはや右から左。
しかし気になるものは、気になる。おそらく今回の授業に関する成績はボロボロになりそうだ。
でも気になる。
なんと言っても、

―――――サイファー・アルマシーは、〝武の天才〟だ。

特に〝剣〟に関する武器は、少し扱うだけで、呼吸をするように使いこなす。傭兵という視点から見れば、その才能はゾッとするほど恐ろしい。
実践授業において、あの男と戦って勝利するというのは、一躍有名になるだけの威力がある。実際の戦闘ではなく、あくまで訓練の実践授業なのに。
……それに、まことしやかに囁かれている噂。
最近、疑似魔法の使用理論の改訂版として、学会にて発表された最新理論。
癖はあるが従来より迅速に展開し、使いこなせれば次に発動する疑似魔法の予約待機も行える。使い手の熟練度と発想力で、幅広い応用が利く理論。
エスタから発信されたそれらは、〝ある男〟の疑似魔法使用時の脳波を測定して、一般的に使用できる領域まで落とし込んだと言われている。
この情報を知って、バラムガーデンの一部が、いや大半はこう思ったはずだ。

――――いやこれ、サイファー・アルマシーのことだろ?

魔女大戦前から。
もっと、その前から。
ジャンクション嫌いの男で、そのくせジャンクションをしていると信じたいほど、疑似魔法の展開が早い。
かつ、威力もそこそこある。
彼の代名詞とも言える技。〝雑雑魚散らし〟に〝血祭り〟など、使用理論から展開する疑似魔法だと信じたくない威力が発生していた。
実践授業で対戦カードを組まれた子羊たちは、よくよく思ったものだ。
いっそジャンクションしていると、言われた方がマシだったと。
ちらりと視線を向けた先。
退屈そうな顔で、その最新理論の元になったであろう男が、授業を受けている。
いや、これ本当にどういう状況なんだ。

――――自分の脳を解析して作られた最新理論を学ぶ、元祖オリジナルの男。

……どういう気分なんだ。それは。
ものすごく心の底から湧いてくる好奇心を噛み殺して、男は必死に授業に取り組む。
きっと授業が終わった時、話題はあの二人だと確信しながら。

 

―――――――― ▼ ――――――――

 

……退屈だ。
くわっ、と欠伸をしながら、授業を聞く。
配布された教科書を捲るが、よくぞここまで纏めたものだと、いっそ関心すらする。
ちらりと横目で視線を向ければ、真剣な顔で授業を受けているスコールがいる。
……学んだところで、俺様と同じことはできねぇのによ。
そこまで考えて、ため息を飲み込んだ。
この最新の使用理論を学んだとして、疑似魔法の展開速度が必ず上がるわけではない。
なぜなら人間の脳は、個人により得意分野に差があるからだ。

――――特に魔法は、それが顕著に現れる。

歴代の魔女が、得意だった属性も。
イデアがよく使っていた魔法も。
アルティミシアが好んだ魔法も。
リノアが得意になった魔法も。
其々が異なり、似て非なる力を発揮する。

――――魔女でさえそうなのだから、人などもっと差は歴然とする。

今まで、ジャンクションを行うG.F.の属性に左右されると思われていたものが、実は宿主の素質に左右されていた。
その事実を基礎として、再編集されたのが、最新の使用理論だ。
授業が進んでいく。
自分にとって、とうの昔に体感していた事実が、理論として提示される。
……面倒だな。
学ぶとしては、知っていることだらけで退屈で。
自然と目を閉じた。

 

 

※―― ♰ ――※

 

「あの人はね、私の騎士なのよ」
あの石の家で、穏やかに微笑みながら。
それでも寂しそうに囁かれた言葉を覚えている。

「……可哀想な少年」
伸ばされた手を覚えている。
暗闇のなかで、握り潰されるような感覚も。
見知った魔女が、全く違う魔女だと察する事は、容易かった。

「僕の変わりに、イデアを頼みますね」
世界情勢が不安定な中。
孤児院の子供と愛しい妻の為に、世界中を駆けずりまわった男。
その言葉の意味を、知っている。
だから何かがあれば、代わりに守ろうと決めていた。

「魔女の騎士、何を見たのでおじゃ?」
何もかも終わった後。
バラムガーデンに引っ張られた後の、身体調査をエスタで行った際。
脳波を測定させろと襲撃してきた、好奇心の塊。
あいにくと、俺の頭に詰め込まれたそれは、人間の為のものじゃない。
狂人のごとき博士には、言葉では何も伝えず、ただ笑ってやった。

――――いつだってそうだった。

何もかも捨てて、何処かに行きたくなる時がある。
そういう時に限って、それは呪いのように隣にいた。
本人が、もう何も覚えていないとわかっている。

 

「サイファー、〝         〟」

 

それなのに。
あの言葉が、呪いのように離れない。

 

※―― ♰ ――※

 

 

「おい」
「…………あ?」
至近距離から、よく知る男に囁かれて、一気に意識が浮上する。
くわり、と自然と出る欠伸をしながら目を開ければ、呆れた顔でスコールがこちらを見ていた。
「居眠りするな」
「退屈だったんでな」
そういう問題か、と顔に書いてある男を無視して、立ち上がる。
傍らに置いていた荷物を取ろうとするが、動く前にさっさと荷物を攫われた。
視線を向ければ、無駄に目がキラキラしている無表情の男。
「いくぞ」
「……へーへー」
反応をすることも億劫で、さっさと進む背中を追いかける。
背後から多数の視線を向けられたが、それを無視して歩いていく。
教室から出て、少し歩く。1階の食堂に戻る事はないだろう。
どこに行くのかと思えば、廊下に設置されたスタッフルームの扉の鍵を開けて、するりと入っていく。
「職権乱用だぜ? 指揮官様」
「権力は使うものだろ、補佐官殿?」
からかい交じりに告げた言葉も、さらりと返答が返ってくる。こういう時に、こいつも成長したなと思う。
特に、言葉が口から言語が出力されている事実に。
スタッフルーム。要するに学生以外のガーデン職員が通る、裏道。電力消費のために薄っすらと明るさが加減され、薄暗い道を突き進む。
なんとなく、スコールの目的地を理解できた。風紀委員時代に、許可を受けて利用していた道だ。大改修で細かい設備や配置が変わろうと、用途は変わらないはず。
「ん」
「おう」
顎でくいっと行き先を示したスコールに、頷く。
二人でするりと入った部屋は、簡易的な給湯室。つまり職員用の休憩室だ。
そっと荷物を置いて、スコールがいそいそと備え付けの小型の冷蔵庫を開けている。さては、準備万端にしていたのかと悟って、溜息を押し殺して足を踏み入れる。
休憩室はこじんまりとしているが、設備は丁寧に管理されているようだ。簡易的なシンクに汚れはないし、ちょっとした洗い物ができるように洗剤と道具も揃っている。
……いや、揃えたの間違いか。
授業を受けるということは、早くても半年は授業を受けなければならない。
飛び級制度もあるが、出席日数の都合上で、こちらも半年はきっちり授業を受ける形だ。
……半年、弁当作りか。
それはそれで面倒だが、手間かと言われればそうでもない。多忙な風紀委員時代には、時々行っていたことだ。
「サイファー」
「はいはい」
冷蔵庫に準備していたのであろう、よく冷えたミネラルウォーターのペットボトルを受け取る。休憩室の机の上に置かれた荷物に手を付けずに、椅子に座ったスコールに、何とも言えない感情が浮かんでは消える。
何かを言ってしまう前に、言葉にならないそれを噛み殺して、荷物こと保冷鞄のジッパーを開けていく。

 

―――――――― ▼ ――――――――

 

サイファーが無造作に保冷鞄に手を突っ込み、ズボッと取り出された弁当箱は、想定より大きかった。
……デカいな。
たっぷり入る容量の、正方形に近いタイプ。それも二段。
「ほらよ」
「……ん」
渡される弁当箱を、しっかりと両手で受け取る。
正直、無理やり頼んだ自覚はある。
それでも、居眠りをするとしても授業を受けてくれたことも、きちんと弁当を作ってくれたことも、何もかも嬉しい。
……これで付き合ってないのは、いっそバグだと思う。
数日前も、囁いた告白は素気無く断られたのは、記憶に新しい。
しかし、難攻不落ではないし、嫌がってもいない。押し倒しても受け止めて、キスしても受け入れてくれた。
……流石に、服を剥いたら殴られたが。
まだ嫌だ、と言って殴られたのは記憶に新しい。
なんなんだよ。
まだってなんだ。
何が駄目なんだ。
……そこを解明しないと、本当の意味でサイファーを攻略できない。
俺が即物的に過ぎて、サイファーの中で付き合う事と俺に食われる事がセットになっている。そう思われているからではないかと、堪え切れない笑いと共にセルフィから指摘されたことが、頭を横切る。
確かに、それもあるかもしれない。
そういう思いで、俺は口説いているわけだし。
……でも、きっとそれだけじゃない。
核心を持てたサイファーの言葉を、ずっと頭の片隅で考えながら。今にも飛び出しそうな文句を飲み込んで、弁当に視線を向ける。
二段弁当が崩れないように、しっかりと固定しているランチバンドを外して、蓋のロックを弾いて開ける。
一段目は、サラダだった。ポテトサラダに、半分にカットされた丸っと一つの茹で卵。それを受け止める、下に敷き詰められて盛られたレタス。
……つまり、メインは二段目か。
二段目は、
「…………?」
白米だった。
どう見ても白米。ぎっちりと敷き詰められて、艶々に輝く白米。真っ白な大地が、二段目を埋め尽くしている。
……サラダ弁当!?
斬新すぎると思う。
「ちげぇよ」
料理人のコメントに顔を上げると、ぽいっと飛んできたものがあったので、反射的に握る。
それは先端が三叉に割れた、先割れスプーンだった。
視線を上げた先、ざくっと白米だらけの二段目に、先割れスプーンを突き刺すサイファーがいる。誘導されるように同じことをして、切り取った一口を持ち上げる。
「……あ」
白米だけではなかった。米と米の間に、何かが挟んである。
匂いからして予想がつくが、食べるまで油断はしない。サイファーの事だ、何か仕込んでいる可能性は十分にある。俺は詳しいんだ。
空腹からか、緊張からか。自分でも分からないまま、ごくんっと生唾を飲み込んで、持ち上げたそれを口に放り込む。
……カレーだ!!!
間違う事はない。カレーだ。普通にカレーだった。噛めば噛むほどに、口の中にカレーの味が広がる。美味しい。噛みしめると、カレーに紛れているコーンがいいアクセントになって、スパイスの味が強調されて美味い。
汁気がないから、ドライカレーだろう。数日前に夕飯でひき肉のドライカレーが出た気がする。残りは冷凍していたから、おそらくあれのリメイクだ。
「ど~よ?」
どこか笑いを含んだ男の言葉に答えずに、先割れスプーンにごっそりと大きくカレーを持ち上げて、口いっぱいに頬張った。
聞かなくても俺の感想なんて知ってるくせに、そういう所が腹立つ。

 

百年の恋も冷める顔だと、何度でも思う。
ぐわりと大きく開いた、牙を剝き出しに獲物に食らいつくような勢い。
カレーが挟まれた米を、口いっぱいに頬張る、豪快な動き。
詰め込まれたそれを噛みしめるべく、頬が大きく動き、顎が上下に動いて。
ファンだという奴らの言う、お綺麗な顔なんて台無しだと、いつ見ても思う。
在りし日の記憶を呼び覚ます、その態度が。
いつだって脳裏に焼き付いた、待ち人の姿を思い出させるその仕草が。

――――いっそ、憎悪を感じる程に、嫌う事ができたらよかったのに。

 

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